眠っていたい

!がついているものは過去の下書き放出

9.6

 

 

気づいたら夏が過ぎ去っていた。まだ暑いけど、体が確実に秋を感じている。時間が経てばものの見方は変わるし、感じる気持ちだって変わる。それが嬉しいような寂しいような。あの頃断罪していた人間にどんどん自分が近づく感じ。でも近づけば近づくほど常識があるように感じる。いつか自分がなりたくないと思っていた人間は本当は一番なりたいと願っていた人間なのかもしれない。数年間ずっとなぜ殺人は許されないのかという問いを考えている。なんの倫理観も芽生えていない意識に、なぜ人は虫を殺すのに人を殺してはいけないとかと質問された時になんて返すかをずっと考えている。何度考えても最後には一つの結論に向かう。これは倫理なのだろうか。色んな人に聞いてみたい。どんな常識にも囚われない無限の生命体にそう聞かれた時、どう返すのか。これはその人自身の善悪は関係ない問いだと思う。でもやっぱりその人の価値観は答えに反映されるから善悪の話なのかも。まだわからない。多分死ぬまで考えているだろうし、もしかしたら死ぬ間際に返答が見つかるかもしれない。私の善悪の判断で答えても、その善悪の根源を尋ねられたら返しようがないのでその答えも考えると永遠の問となりこんがらがってしまう。ひとつの問いに対して答えはひとつでは無いのだとそんな時に感じる。正解か不正解かはっきりしている問題の方がこの世の中少ないんじゃないかと思う。同じAという事象でもどの角度から見るか、ただそれだけで全く違う答えが出てしまう。私の正義と貴方の正義は違うのだと日々気付かされることばかりです。あの頃の私が思っていたことは、今の私から見ればわがままに感じてしまう。でもいつかの私は今の私にそう感じるのだから、今もそう思われているかもしれない。正解はないのだと教えてくれたあの人にもう一度会ってみたい。そんなことを考える夜です。